組手型稽古と試合稽古について
組手型とは、極真会館増田道場で行われている組手修練を行うために必ず習得しなければならないものです。組手型には組手修練の際、相手の攻撃技に応じるための原理と原則が組み込まれています。この相手の攻撃に応じるための原理とは「技を活かすための原理(理合)」です。換言すれば「自己の防御技×反撃技を活かす理合」のことです。
明言すれば、極真会館増田道場の組手修練の目的は、相手とのダメージの与え合いではなく、組手修練を通じ、「相手攻撃を無力化し、自己の反撃により相手の心身を制する技」の道(理法)を体得することです。
故に、組手型においては、力のみに頼るのではなく、まずもって技を活かすための原理(理合)と原則を意識しなければなりません。なぜなら、ただ体力の任せ、闇雲に試合稽古や組手を行うだけでは、技を活かすための原理(理合)と原則は体得できないからです。
言い換えれば、組手型は試合稽古と合わせて行うことで、技を活かす原理と原則を理解するための物差しとなるものです。つまり、組手型を物差しとして、自己の技、そして自己の組手の内容を吟味し、技の使い方、組手の仕方が道(理法)に則っているかを判断できるようになるのです。
本道場では、試合に勝つためのみの稽古はしません。それはスポーツであり、武道ではないからです。また、組手型の稽古と試合稽古を車の両輪のように意識することを指導します。なぜなら、組手稽古においては、組手型を物差しのように使い、戦いの理法(道)を意識、判断するからこそ、技の精度が向上し、組手の技能が向上するからです。
断っておきますが、本道場はスポーツが有する、発達途上の若い時分の心身を昇華するような行為を否定はしません。しかしながら、そのような若い時分のみの強さ、それを目指す修練を目的とはしません。若い人も、年老い、身体が多少衰えた人も、武術稽古によって共に身体の可能性を追求し、かつ心を高め、人生を充実させるための道(理法)を求めることを目的とします。
その目的を実現するために、組手稽古においては「相手攻撃を無力化し、自己の反撃により相手の心身を制する技」の道(理法)の体得を目指してください。そうすれば、相手の心身を制するためには、まずもって自己の心を高め、心眼で相手の技を読み取り、対応することが必要だと悟るはずです。また、自他一体を心掛け、「制心」「制機」「制力」を意識するなら、一人ひとりが有する本当の強さを実感するでしょう。ただ、その強さは、決して相手を力で圧倒するようなものではないかもしれません。しかしながら、人生を豊かにしてくれると思います。(増田 章/2022年8月31日)
以下を必ず読むこと
- 組手型は、昇級、昇段審査の項目です。
- 「応じ技」や「応じ」など、言葉の意味がわからない場合は、修練用語辞典を参照してください。
- IBMA極真会館では白帯、橙帯、青帯を初級とします。また黄色、緑帯を中級とします。上級は茶帯からです。
- 技術や理論などの学習は、以下の一覧表からリンクページにアクセスするか、下記インデックスページから教本ページにアクセスし学習してください。
- 必修組手型は昇級審査の項目となっています。昇級審査について知りたい方はこちらから→昇級審査について
- 組手型については、組手型についてのページをご覧ください。
- 組手型は「作法」が決められています。また「理合」を重視します。
- 組手型の習得は極真会館増田道場の有段者認定の必須項目です。組手型を習得していない人は、今後、公認有段者とは認められませんので気をつけてください。→公認有段者制度について
◎組手型の名称の読み取り方はこちらから
組手型・45手の一覧(2022年改訂版)
組手型・45手 2022完全版
- 45手、全ての動画が閲覧できます。2022年9月2日現在
- 33手から45手に変更しました。
- 26、27手目の順番と映像が間違っていました。→修正済み
組手型・45手の名称一覧
突き技に対し〜その1
1 上段直突きに対し「入り身・肘内受け×上段直突き」
2 上段カギ突きに対し「入り身・肘外受け×上段カギ突き(あご)」
3 上段カギ突きに対し「入り身・肘外受け×上段カギ突き(こめかみ)」
4 上段カギ突きに対し「退きそり身受け×順上段カギ突き」
5 上段カギ突きに対し「退きそり身受け×逆上段カギ突き」
6 上段カギ突きに対し「退きそり身受け×順上段直突き」
7 上段カギ突きに対し「退きそり身受け×逆上段直突き」
8 上段直突きに対し「退きそり身受け×順上段直突き」
9 上段直突きに対し「退きそり身受け×逆上段直突き」
10 順上段直突きに対し「退きそり身受け×逆上段回し蹴り込み」
11 順上段直突きに対し「前・斜め送り足×順上段カギ突き」
12 順上段直突きに対し「外ひねり身受け×上段カギ突き」(相構えと逆構え)
13 順上段直突きに対し「内ひねり身受け×順上段直突き」
14 中段直突きに対し「退き身・下段払い受け×上段直突き」(おもて)
15 中段直突きに対し「退き身・下段払い受け×上段直突き」(うら)
蹴り技に対し〜その1
16 上段回し蹴りに対し「退きそり身受け×追い・逆上段直突き」
17 上段回し蹴りに対し「退き身・小手受け下段払い×上段直突き」(おもて)
18 上段回し蹴りに対し「退き身・小手受け下段払い×上段直突き」(うら)
19 上段前蹴りに対し「入り身・肘内受け×上段直突き」
20 上段前蹴りに対し「反り身受け×順上段直突き」
21 上段前蹴りに対し「反り身受け×逆上段直突き」
22 順裏回し蹴りに対し「肘内受け×逆上段直突き」(逆構え)
蹴り技に対し〜その2
23 中段前蹴りに対し「退き身・下段払い受け×上段直突き」(おもて)
24 中段前蹴りに対し「退き身・下段払い受け×上段直突き」(うら)
25 中段回し蹴り対し「中段スネ受け×逆上段直突き」
26 中段回し蹴り対し「中段スネ受け×順上段直突き」
27 下段回し蹴りに対し「下段スネ受け×順上段直突き」
28 下段回し蹴りに対し「下段スネ受け×逆上段直突き」
蹴り技に対し〜その3
29 後ろ回し蹴りに対し「退きそり身受け×追い・順上段直突き」(相構え/逆構え)
30 後ろ回し蹴りに対し「斜め送り足・槍手受け×逆上段カギ突き」(相構え/逆構え)
突き技に対し〜その2
31 順逆・上段直突きに対し「退き身・肘内受け×順中段回し蹴り込み」
32 順逆・上段直突きに対し「退き身・肘横受け×順中段回し蹴り込み」
33 順逆・上段直突きに対し「退きそり身受け×順上段カギ突き×逆下段回し蹴り」
34 順逆・上段直突き突きに対し「退きそり身受け×順上段カギ突き×逆中段膝蹴り」
35 順逆・上段直突きに対し「入り身・拳底・肘内受け受け×中段直突き(逆中段直突き/順中段直突き)」(相構え/逆構え)
突き技に対し〜その3
36 順上段直突きに対し「外ひねり身受け×中段直突き」(相構え/逆構え)
37 順上段直突きに対し「外ひねり身受け×順上段直突き」(相構え)
38 順上段直突きに対し「外ひねり身受け×逆上段直突き」(逆構え)
39 逆上段直突きに対し「上段直突き(交差法・おもて/4手)」(相構え/逆構え)
40 逆上段直突きに対し「上段直突き(交差法・うら/4手)」(相構え/逆構え)
蹴り技に対し〜その4
41 下段回し蹴り(前内)に対し「ケシ足×追い・順上段直突き」(相構え/逆構え)
42 下段回し蹴り(前内・後内)に対し「入り身・開き足×順上段直突き」
突き技に対し〜その4
43 上段カギ突きに対し「潜み身受け×上段カギ突き」(相構え)
44 上段カギ突きに対し「潜み身受け×上段カギ突き」(相構え)
45 逆上段カギ突きに対し「入り身・肘外受け×カギ突き(同腕で)」(相構えと逆構え)