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「三戦立ち(三戦構え)」と「三戦立ち正拳中段突き」
本ページでは、三戦立ちで構える「三戦構え」と三戦立ちで行う正拳中段突き(伝統技)について学びます。
「三戦構え」と「三戦立ち正拳中段突き」は、極真空手の伝統技稽古(基本修練)の初めに行う項目です。
※デジタル空手道教本でIBMA極真会館空手道を学ぶ際は、基本修練項目についてのページを参照しながら行うと、より効果的です。
その他、技のポイント
- 突き始めは肩の力、腕の力を抜く。
- 突き終わった後、拳を固める(ただし目標に当たった後は力を抜く事)。
- 突き終わった時、体幹で腰の回転を停止させる(身体感覚の詳細は道場稽古で伝える)。
- 下の写真のように肩を流しすぎないこと。
- 突きと突込みの違いを理解する事。
審査合格のためのチェックポイント(減点ポイント)について
- まず「三戦構え(サンチンがまえ」を正確に覚えなければ、減点されます。
- 三戦立ちの足の位置は、左右の足は腰幅より少し広めの幅にする。右足は左足より足ひとつ分前に出す。また、足の指先は少し内側に向ける。ただし、膝は内側に向けないこと。膝頭は正面を向くようにすること(重要/股関節を凱旋させること)。
- 突く位置は、中段の場合、水月(みぞおち)の位置です。
- 引き手は拳が体側(体の横)に着いていないと減点となります。また、肘を十分に後ろに引いていないと減点となります。
- 引き手の拳は、体幹(みぞおちの高さ)につけること。
- 体軸を必要以上に動かさないようさないよう、頭を動かさず、体幹をしつかりと固定する。
- 膝は力を入れず、緩めるようにして、少し曲げる。
- 突き手と引き手にスピードがないと減点されます。
- 拳(正拳)は軽く握るが、突き終わった瞬間には、しっかりと締める。
- 不動立ちが正しくないと減点されます(不動立ちも「三戦構え」の正しい動作、形に含まれます)。
動きを正面から見る
- 内八字立ちとなる(写真は間違い)。
- 「三戦立ち用意」で胸の前で十字を切りながら内八字立ちになる。(不動立ち)現在、増田道場では、みぞおちの高さで十字を切る、増田式十字礼を行います。
- 「三戦立ち、構えて」で両腕を正中線上、下段で重ねながら右足を左足に寄せるようにしてから足一つ分だけ前に出す。
- 正中線上、下段で重ねた腕を肘を中心に回しながら上に曲げる。曲げた腕の肘の角度は90度、拳の高さは肩の高さ、腕の幅は肩幅ぐらいとする。この構えを「三戦立ちの構え」と呼ぶ(IBMA極真会館増田道場)。
- 両拳を水月(みぞおち)の位置で合わせる。
- 右拳を右脇に納める(引く)。
- 伝統技稽古では、右拳から突き始める。突くときは前に置いた拳を同時に弾きながら突く。
- 突き手の肘が体側を離れる時、引き手の肘が体側に突くように、突きかつ引く。(ほぼ同じスピードで突きかつ引くと考えて良い)
- 右拳の突きに続き、左の拳を突く。突き方は右拳と同様に。
- 右拳の突きに続き、左の拳を突く。突き方は右拳と同様に。
- 「直れ」で右足を左足に寄せるようにしながら胸の前で腕を十字に重ねて、元の位置(不動立ちの右足の位置/左右の足を同一線上に並ぶように))の位置に戻す。
- 「不動立ち」になる(正拳を作り両脚を肩幅ぐらいの広さにして立つ)
横から動作を見て見る
- 1)不動立ちで構える。
- 2−1)十字を切りつつを行い「内八字立ち」になる。
- 2−2)十字を切りつつ「内八字立ち」になる。
- 3)へそのあたりで腕を十字に重ねる。
- 4)重ねた両腕を体の内側に回すようにして拳が肩の高さになるまで、ひじを曲げる(肘の角度は約90度)。
- 5)みぞおちの高さで両腕を伸ばし、両拳の一点で合わせ、両肩を結ぶ線と2等辺三角形となるように置く。
- 6)左拳を残し、右拳を引いて構える。
- 7−1)前拳(左拳)を引きながら、後ろ拳(右拳)を突き始め。※伝統技の稽古では、右拳からつき始める。
- 7−2)前拳(左拳)を引きながら、後ろ拳(右拳)を突く。※伝統技の稽古では、右拳からつき始める。
- 8−1)前拳(右拳)を引きながら、後ろ拳(左拳)を突き始める。※伝統技の稽古では、右拳からつき始める。
- 8−2)前拳(右拳)を引きながら、後ろ拳(左拳)を突く。※伝統技の稽古では、拳から突く。
- 9−1)十字を切りつつ「不動立ちに」に戻る。
- 9−2)十字を切りつつ「不動立ちに」に戻る。
減点をなくすには〜5つの悪い例
以下の写真は悪い例です。原点をなくすには、以下の悪い例のような形にならないよう気をつけてください。
悪い例1(写真下2枚)
- 肩が入り過ぎ、上体が流れている。※良い突き方は、体幹・体軸をしっかりと固定された突き方です。体重移動は、腕を押し出して行うのではなく、骨盤の回転(腰入れ)で行います。
- 下の写真は、肩が入り過ぎた悪い例です。この写真と自分の動作を比較してください。もし、自分の動作に悪い例に当てはまるところがあれば、修正してください。
- 1)肩が入りすぎ上体が流れている。
- 2)肩が入りすぎ上体が流れている。
悪い例2(写真下左)
- 小手(前腕)が肩より外側に出すぎている。
悪い例3(写真下中)
- 小手(前腕)が肩より内側に入りすぎ、脇を締めすぎている。
悪い例4(写真下右)
- 拳の高さが左右対象ではない。
悪い例5(写真下2段目左)
- 右足が外側を向いている。
- 小手(前腕)が肩より外側に出すぎている。
- 小手(前腕)が肩より内側に入りすぎ、脇を締めすぎている。
- 拳の高さが左右対象ではない。
- 右足が外側を向いている。
用語解説と備考
- 三戦構えとは
- 伝統技基本ビデオ教本(手技)のページ
- 2016-1-1:一部修正
- 2018-3-7:一部修正