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TS方式組手法の導入について

TS方式組手法の導入について〜増田章

 IBMA極真会館では少年部から一般部まで組手稽古には防具の着用を必須とします。その理由は、体力のない人や技術や技能の未熟な人と組手を行ってもお互いに怪我をしないよう、安全性を確保するためです。また、互いに突き蹴りによるダメージを気にしないで組手稽古を行うためです。さらに、TS方式(ヒッティング)という組手法によって、「技の正確性」をより強く意識し、また防御と攻撃、すなわち「攻防のスキル(技能)」を向上させるためです。これまでの組手法では、相手へのダメージを気にして思い切った組手ができません。もちろん、相手にダメージを与えるような組手は、増田道場では禁止です。しかし、そうなるとスピードある突き蹴りに対応する組手稽古はできません。また、技が有効かどうかが曖昧な、従来の組手法では、攻防のスキルが体得できないのです。何より、武道に必要な「眼」「足」を養成できません。IBMA極真会館では、今後TS方式(顔面突きありのヒッティングを含めて)を組手稽古の基本とします。

 有段者はなるべく早いうちにTS方式の組手講習を受けてください。また、TS方式による組手修練には、多様な技術(顔面突き、逆技、倒し技などの護身的な技を含む)を習得するための組手型修練も含まれています。

 TS方式による組手修練は始まったばかりです。おそらく、すべての会員が未熟だと思います。しかしながら、この組手法は、やればやるほど組手技術と技能が、目に見えて上達します(ゴールが明確だから)。

 また従来の極真方式の組手法の欠点を補完すると思います。さらに空手本来の武術、護身術としての空手技術と技能の基盤を築くと思います。換言すれば、TS方式の導入は、空手の原点回帰の試みでもあります。

 繰り返しますが、TS方式、すなわちヒッティングにはベーシックスタイル、ヒッティング、フリースタイルがあります。まずは、ベーシックスタイルで、間合いの調節や技を当てるタイミング、防御法などの習得をしてください。ベーシックスタイルができるようになり、上級者になったら、顔面への突きを可としたヒッティングの修練に移行します。

 最後に、有段者は顔面への突きが認められたヒッティングを必須とします。空手は護身術の要素を含むものです。ゆえに顔面への突き技を防ぐ技術と技能が必要です。すでにIBMA極真会館は、極真会館増田道場の時代も含めると35年以上の歴史があります。その間、有段者になった人たちは、新しい修練方法を習得してください。言い換えれば、PCがバージョンアップするように、新しいソフトウェアをインストールするように、各々の空手の更新をしてください。

 おそらく、すべての会員の極真空手のレベルは未熟なものです。従来の修練方法では、極真空手のレベルも上がりません。また、加齢とともにその技術や技能のレベルも低下していくでしょう。否、そもそもその技術や技能のレベルがあったのかも疑ったほうが良いでしょう。かくいう、私も未熟です。そして、自分の技術と技能を疑っています。そして、残り少なくなった空手道人生をより有意義なものにしたいと考えています。また、歳を重ねても、その技術や技能が、より深まるような修練・稽古をしたいと考えています。

 まずはTS方式(ヒッティング方式)の修練法を理解してください。すでに理解している道場生も多くいますが、理解できていない人達もいます。黒帯は率先して、TS方式を理解してください。そして、空手を新しく始める人により良い空手を伝えることに協力してください。ヒッティングという組手法、そして競技も修練の手段であり、増田の考える空手道の全てではありません。しかしながら、それを行うことによって、IBMA極真会館の仲間たちが空手を長く続けていけるようになると思います。また、より高いレベルに引き上がると考えています。

 これからも共に、道場で良い汗を流し、そして考え、極真空手をより高いレベルに引き上げていこうではありませんか。

 

 

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