上段逆回し蹴りの打ち込み稽古指導
なぜ打ち込み稽古に位置取り、運足法が重要なのか？
この映像を見て、まずチェックしなければいけないのは、打ち込み稽古の際の、運足法が間違っている。ゆえに元の位置に戻れない。元の位置に戻る意味は、まず目標（ミット）と自分の位置（位置と間合い）を同じにすること。なぜなら、位置が変わると目標とする蹴りの角度や当てるところが変わるからです。さらに大事なことは、ミットの持ち手の位置も変えないこと。そのことによってより正確な身体の使い方が意識できていきます。
ゆえに、増田式の打ち込み稽古の基本は、両足を必ず基点に戻し、そこから自然体組手立ちの構え（組手構え）を作ります。逆蹴り（後脚の蹴り）の打ち込み稽古の場合、一本蹴り込んだ後は、蹴り足を前に落とし、そこから蹴り足を基点（蹴る前の位置）に戻します。その後、前脚を後脚の横に戻します。そこから最初に後脚だった脚を前に出し、組手構え（自然体組手立ち）をスイッチします（切り替えます）。つまり、逆蹴り（後脚の）の打ち込み稽古の際は、組手構えを左、右と変えて、２つの組手構えで蹴りの打ち込み稽古を行います。その理由は、片一方の蹴りだけでは身体のバランス調整を高めるためです。また、変な癖がつかないよう、逆方向の技の稽古を行うことで、身体を使う感覚を微調整します。
※打ち込み稽古の基本原則は、まず蹴りを作る前の姿勢、構えを正しくする（基本通りにして）ことが必要です。
蹴りの打ち込み稽古の際は、蹴りが順の蹴り（前脚による蹴り）なのか逆の蹴り（後脚による蹴り）なのかを理解してください。次に軸足の踏み込みを意識します。そして下半身と胴体（体幹）の連携を意識し、骨盤を回します。骨盤の回転をフォローするように蹴り足を振る（蹴る）ようにします。
映像の下田氏の蹴りは以下の点が不十分です。
- 打ち込み稽古の際の、運足法が間違っている。ゆえに元の位置に戻れない
- 軸足の踏み込みが不十分である。
- 下半身、上体、蹴り足との運動連鎖が途切れている。その原因は骨盤（腰）の使い方が上手く言っていないからである。
皆さんは、どこが悪いかわかりますか？ 道場稽古におけるプライベートレッスンより 2018／3
