「考える」ということ

 

 緊急事態宣言が解除されました。こらから道場を再開しますが、第2波、3波を予想し、気をつけながらの再開です。

 ゆえに稽古は感染予防のための衛生面への注意、稽古時間の短縮など、皆さんの協力をお願いしながら行います。また私は、そのような状況だからこそ、皆さんには心機一転、習得技術の見直しを勧め、より意識の高い稽古を心がけたいと思っています。そのために増田道場ではデジタル空手武道教本の活用を勧めて行きます。なぜなら、上達のためには道場稽古のみならず自習(独習)が必要だからです。自習の本質は「考える」ということです。「考える」ということが深く、広く、高くなければ、物事の上達は成りません。

 是非、テキストを見て、また読んで、空手について考えてください。それが上達への道であり。空手が会員一人ひとりの人生に役立つことにつながります。ただ、より正しく(より良く)考えるということが厄介で困難です。かくいう私も正しく考えているかどうかを、いつも問い続けています。それを聞いて、みなさんは不安に思うかもしれません。

 しかしながら、誰よりも深く、広く、高く考え続けているということが私の自負なのです。おそらく、これからも問い続けるでしょう。当然、自分の技術が完璧ではないと考えています(しかし技能で技術の不味さをカバーしています。また全体の機能としての技術とは、なかなか深いものなのです。人間は機械のようで機械とは異なります)。

 繰り返すようですが、「より深く」「より広く」「より高く」考え続けることが求道というものであり、真を極める、また心を極めるということだ、と私は思っています。断っておきますが、私のように空手武道の研究をしなさい、と言っているのではありません。

 私は、空手初心者のみなさんとは楽しく空手の稽古を行いたいと思っています。また、本道場はみなさんが空手の稽古をより楽しめるようにします。しかし段階を経て、より確実に空手武道の初段位、二段位、三段位、四段位、五段位、と到達できるようにカリキュラムと教本が必要だと考えているのです。

 最後にもう一つ、空手には名誉段位もあります。しかし本来名誉段位の取得を目指すことが修行の目的ではないことは言うまでもないことです。空手武道とは自分自身を拓き、高めていく道なのです。段位はその意識の深さと広さと高さに与えられるものだと考えています。その意識のなかには「技術」「知識」「経験」など、全てが含まれています。私が考える段位、そして段位制度とはそういうものです。

2020年6月1日

増田 章

 

初級テキスト(組手技編)

この映像は初級テキストの紹介映像、抜粋(約5分)です。完成版(25分ぐらい)はデジタル空手武道教本のページで閲覧できるようになっています。

極真会館増田道場初級テキストのページ