極真会館増田道場の壮年部の人たちにヒッティング(TSアドバンス方式)の組手を伝えました。新型コロナウイルスの影響で、十分な稽古ができない中、増田メソッドをすぐに理解してくれました。ただし、まだ数回しかヒッティングの稽古をしていません。

 ゆえに基本技術が足りません。しかし、このまま稽古を続ければ一年後にはかなりの技術を習得できるはずです。拓心武道メソッドが浸透すればですが…。そのためには、教本作りを急がなければならないと考えています。なぜならTS方式は理論的な稽古法だからです。例えれば、組手稽古では、将棋やチェスのように技(駒)の役割、機能が明確になっています。そして、体力任せに組手を行うのではなく、意味や機能が明確になっている技(駒)を使って相手を攻略するのです。もちろん、将棋やチェスと全く同じではありません。ヒッティングは技と技とをくみ合わせ、新たな技(意味や機能)を作り出すことができます。そのようクリエイティビィティ(創造性)の発揮が、直接打撃制の極真空手、ヒッティングの真骨頂なのです。

 このTS方式の組手法は、安全性を確保し、老若男女が本来目指すべく極真空手の顔面ありの技術を意識できるようになります。また、他の空手流派の組手法とことなり、これまで極真空手が獲得してきた、空手技術を全て使えます。
 また、このヒッティング方式(TSアドバンス方式)の組手法(Hittingg)は極真カラテの原点回帰であり、その入り口です。

 大事なことは、私も含め、壮年部の皆さんは身体を傷めないよう、長く空手武道の修練を続けられるよう、理論的に、かつ楽しく組手稽古を行うということです。

 今後、極真会館増田道場の会員道場生の皆さんには、伝統的な極真空手の組手も忘れないでいただきたいと思います。しかしながら、空手は本来は顔面突きありです。その原点を忘れては、さらに深いレベルの空手武道を学ぶことはできないということを理解していただきたいと思います。

 最後に、増田メソッド(拓心武道メソッド)は誰もが組手に上達する方法です。是非、デジタル空手武道教本で、より深く空手武道の学習を行うようにしてください。

補足

 本テキストには短い講義が含まれていますが、私は、通常の稽古においては、こんなに解説はしません。通常の稽古は、ひたすら形を整えることに集中しなければならないと考えるからです(子供の場合、その集中力もない場合がありますが)。

 本テキストの解説(講義)は、教本用に話しています。しかし、このような理論、すなわち空手武道に関する考え方ができていないと、組手に重要な感覚は身につかないでしょう。ですから、教本で理論も学習してください。

 中には理論がなくても、感覚を研ぎ澄ましていきながら、理論に到達する人やもいるかもしれません。しかし、そのような例は稀でしょう。

 我々は、なるべく理(理論)と事(行動・経験)を照らし合わせながら、階段を登るように学んで行きます。それが最終的には最も深く、高い境地に至る道だと思うからです。

(増田)

コラム〜顔面突きありの空手と私との出会い(増田 章のアメーバブログ)