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応じ(Ouje)とは何か?〜組手に強くなりたい人へ(2017)

応じ(Ouje)とは何か?〜組手に強くなりたい人へ

 
  

   初伝のレベル(初段から二段)では、相手の攻撃を受けてから反撃する、受け返し(デイフェンス&カウンター)かできないかもしれません。しかし中伝のレベル(三段から四段)では、相手の攻撃を防御しながら相手を崩す。同時に崩れたところを攻撃する、「応じ」を目指してください。「応じ」の稽古の目指すところは、レベルの高いディフェンス&カウンター技の習得ですが、そこに止まりません。真に目指すところは、「組手における自他のリズムの調整→自他の呼吸の調整→自他の変化の予測→自他の技の判断→自己の技の選択」というような感覚とそれを制御する能力を身につけることなのです。

   さらに奥伝のレベルでは、相手の攻撃を防ぎながら攻撃する、より高次の「応じ」である合撃(交差法・クロスカウンター)の習得を目指します。しかしながら、「相手の動きに未然に感応し、その動きを制していく」また「相手の動きと一体化し、争うことのない状態を保つこと」が奥伝の応じの目指すところです。より高いレベルの「応じ」を体得するためには、組手稽古の量が必要です。しかしながら、組手稽古をただ行なうだけでは、応じの感覚は身に付かないでしょう。組手型を含めた組手稽古は、相手の動きに対応する心身のセンサーと処理プログラムの構築手段です。多くの人が組手の勝敗に拘泥して、そのような構造に目を向けません。しかし、組手の勝敗に拘泥してはいけません。特に道場における組手稽古は、より高い意識で行うようにしましょう。また、試合も単に勝つというのではなく、正しい理合の体得を目指すという心構えで行う方が良いでしょう。

 

◎初伝、中伝、奥伝とは、増田空手の体系の中の技術(理論を含む)レベルの目安

組手型(KumiteGata)とは何か?

 組手型とは、極真会館増田道場独自の相対で行う型稽古のことです。組手型の稽古の仕方を簡単に説明すれば、まずは2人1組で向かい合います。次に、「受け」(攻撃側)と「取り」(応じ側)に分かれます。そして「受け」の攻撃に対し、「取り」が「受け」の攻撃を防御し、間髪を入れずに反撃を行います。そのような形が組手型の最も基本的な形です。

 さらに組手型の稽古を理解した後、約束組手の稽古も行います。約束組手は伝統的な約束組手とは異なり、増田道場独自の稽古法のことです。稽古の仕方は簡単です。組手型を基盤にしながら、「受け」があらかじめ約束した数種の攻撃技を「取り」に対し繰り出します。その攻撃に対し「取り」もあらかじめ決められた「応じ技(防御技×攻撃技)」で対応します。そのような稽古を繰り返すことにより「読み取り力」を鍛えます。「読み取り力」とは、相手の攻撃や意図を読み取ることです。より早く、より正確に読みとることにより、その対応を正確、かつ自在に行えます。極真会館増田道場では、基本、組手型、約束組手の稽古と段階的に稽古を行います。そのような稽古法によって、組手に慣れてない初心者でも、安全、かつ確実に組手の技能を習得することができます。また、体力のあるなしに影響されず、また、運動が苦手な人でも、時間をかければ、組手に上達します。

応じ(Ouje)」の技術がなければ

 なお、組手型と約束組手で重視するのは、「応じ」の技術と感覚です。「応じ」とは。相手の攻撃を防御するのみならず同時に反撃を行うことです。「応じ」とは戦術の原理のことです。そして具体的な戦術としては、多様な「応じ技」があります。「応じ技」を使うことの利点は、相手の連続攻撃を防ぐことです。また相手は的確な「応じ(ouje)」により、組手のリズムを狂わされ、攻撃をリズムカルに連続させることができなくなります。

 もう一つ重要なことを述べておきます。もし「応じ(Ouje)」の技術がなければ、相手と技を出し合う組手稽古において、自分が怪我するのみならず、相手にも怪我を負わせることになるでしょう。なぜなら、応じ(Ouje)の感覚がない人が組手を行うと、恐怖心が先に立ったり、すぐに感情的になったりして、絶えず体に力が入るからです。

 感情が昂り、体に力が入りすぎれば、思うように動けません。また無駄な動きをしてしまう可能性が高まります。ただし、応じを行う場合も、あまり体に力を入れずに、応じ技を使う癖をつけてください。その癖をつけないと、組手で自ら怪我をしたり、相手に怪我を追わせたりするでしょう。

 
 

 
備考

  • 2017/7:タイトルに「組手に強くなりたい人へ」とサブタイトルをつけた。
  • 2022/3/22:一部修正
     

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