約束組手とは
約束組手と限定組手、自由組手との違い
約束組手と限定組手、自由組手との違いを以下に簡単に述べたい。
まず、約束組手は「受け」「取り」を決め、それぞれの役割を決めて行う拓心武術独自の組手稽古法である。一方、自由組手は「受け」と「取り」といった役割分けは行わず、双方が自由に攻防を行う組手修練である。さらに言えば、限定組手とは、使う技の限定はあるとしても「受け」と「取り」の役割分けをしない(修練用語辞典より)。
初級者の稽古では、先ず以って指導員が組手型で攻撃技と応じ技の使い方を教え、ある程度、攻撃と応じ技が使えるようになったら、その技(組手型で示された)の約束組手を行わせる。ただし、約束組手であっても、組手型の稽古法の目的である、「作法」「呼吸」「リズム」「理合」「一つひとつの技の形」などを意識して行うこと。また、約束組手と併行して組手型の修練を行い、自己の攻撃技と応じ技の精度を確認すること。
約束組手の具体的な行い方
約束組手には組手型のように相手と相対し、「受け(仕掛け手)」と「取り(応じて)」を交代して行う方法と、組手のように前後左右に動きながら約束組手を行う場合がある。そのような約束組手を行う場合は、以下のことを原則とする。
- 時間を決めて(30秒〜1分ぐらい)、「受け」と「取り」を交代すること。
- 基本相手との間合いを「蹴りの撃間」とし、相手との間合いが近くなったりした場合には、後ろに真っ直ぐ下がらず、斜めに移動し回り込んで位置を変えること。
- 動き回るスペース(空間)を相手と自分の蹴りの撃間を直径とする円(相撲の土俵のようなスペース)に限定し、そこから出ないようにサークリング(斜め送り足)や回り込み(開き足)、また背後取り、などによって相手との位置を調節しながら行うこと(位置取り・ポジショニング)。
備考:連続約束組手(ラリー稽古法)について
以下の内容は改定します
- 約束組手の稽古法に、連続約束組手法と言うものがある。連続約束組手法とは、あらかじめ攻撃技と防御技を限定しておき、①先手が攻撃技を相手に出し、②後手がその攻撃技に応じる(受けて返す)。その①と②ということを連続して行う稽古法のことを連続約束組手という。さらに、①と②が相手と互いに協力しあい、何回連続できたかを目標とする。そのような連続約束組手を拓心武道メソッドにおいては、「ラリー練習」と呼ぶ(俗称)。